まだ言葉もしらないうちから
わたしたちは

あたたかなぬくもりに抱かれて
一体感を感じたり

くちびるから
愛情を受け取ったり

不安になって泣いたら
あやしてもらったり

誰かとの愛着や
親密さといったものに
なじんできました。

肌と肌とで
においと温度とで
てざわりと心とで

無意識に
刻みつけたものを
人生のはじまりの土壌として

何年も
何十年も。




いま何か
自分が生きることにおいての
大きなテーマに気がついたとして

その
はじまりの土壌に
手を入れようとするならば

その作業は
ひどく骨の折れるもので
想像以上に
長い時間がかかることです。




たとえば
心の感じ方のクセや
依存しがちな性質があって

そのことで
恋愛がうまくいかないと
悩んでいるとしても

それは
自分なりに
せちがらい世の中を
なんとか生き抜くための
重要な戦略だったのであって

決して
間違って身についたものでも
生き方を誤ったのでもありません。

どうしてもそれが
必要だったのです。

そうして
心を守ってきたのです。

たとえ今は
悩みの種だとしても

それがあったから
守れたものもあったのです。





言葉も持たない
泣くだけの赤ん坊だった頃から
 
何年も
何十年もかけて
身につけてきた重要な戦略を

今さら
手放そうとしても

なかなか
難しいかもしれません。

あまりにもなじみがあって
手放す方が恐ろしくて

怖じ気づいて
あきらめたくなるかもしれません。

それでも
変わることを望むなら
やってみようかなと思うなら

そのときが
選択の時です。





『恋愛依存症』(伊東明著)の
最終章に
回復への10のステップが
紹介されています。

「依存症」というほど
切迫した悩みではなくても

心の持ちようとして
とても参考になるものなので

ごく簡単ですが
まとめてご紹介します。




ステップ1)
認めること

ここでいう「認める」ということは
自分が悪いとか失格であるとか
善悪のジャッジを含むものではなく

この苦しみは自分のことなのだと
認めることです。

「そういう運命だ」とか
「彼さえ変わってくれれば」と
外側に解決を求めるのではなく

自分の内側に
向き合うテーマがあるのだと
認めること。
自分自身で認めるだけでいい。

自分の中にいる自分、
今までは見たくないがために
箱の中に閉じ込めてきた自分を

温かい目で見つめてあげる
だけでいいのである。





ステップ2)
助けを求めること

本を読んだり調べたり
信頼できる人に話を聞いたり
専門家の援助を受けたりして

自分以外の誰か、何かに
助けを求めるということは

「自分にできないこと」を
認めるということです。

特に
友人や専門家に
抱えている苦しみを吐き出すことは

次のステップへの
大きな力となります。

秘密や悩みを抱えれば抱えるほど、
ますます自分の内側、内側に入り込む、
すなわち、自分の周囲に
心理的な防衛を作りたがるクセが
人間にはあり、

その結果、
孤独の状態に陥っていく。

そうすると
ますます悪循環に
とらわれるようになる。




ステップ3)
パターンに気づくこと

行動パターンや
好きになる相手のパターン、
ストレスや不安を感じたときの
感じ方のクセに気づくことは

知らず知らず
自分自身を支配している
無意識のパターンに
気づくことでもあります。

無意識のパターンを
意識することが
心をコントロールできるようになるための
最初のステップです。
そのいつものパターンこそが、
いつものお決まりの結末、
そして
不幸な結末を招いているのである。

そこに気づかねばならない。
それを認めなければならない。




ステップ4)
抑圧された欲求に気づくこと

無意識のパターン、
おきまりの行動パターンは
「そうせずにはいられない」という
強い欲求や衝動によるもので

そこには
強い引力が働いています。

アルコール依存症の人が
お酒を求めているのではなく
愛情を求めていることがあるように

自分が本当に求めているもの、
深層心理に隠された願望に
気づくことではじめて

いつもの行動パターンから
抜け出すことができるのです。

そうした本当の引力が何なのか、
また自分がどうやって
その願望を見たそうとしているのかという
メカニズムに気がつかないと、

いつまでも
同じことを繰り返さずには
いられなくなる。
その欲求を
もっと違うやり方で、

もっと健康的なやり方で
満たす道を見つけることが
できるようになるのである。




ステップ5)
自分を愛すること

ありのままの自分を受け入れる
ということは
言葉でいうほど簡単ではないし
とても難しいことではあるけれど

自分を愛せなければ

自分が幸福になることを
受け入れられないし

誰かを愛して
幸せにすることもできません。

まず
自分自身に集中すること。
エネルギーを
自分に対して注ぐこと。

そして
「やっぱり私はダメな人間だ」
というような自己否定の気持ちを
自分自身できっぱりと否定すること。
だが、
難しいからといって、
あきらめるわけにはいかない。

「難しいからこそ
 チャレンジのしがいがあり、
 その分、到達できた時に得るものは
 とてつもなく大きい」との気持ちで

健全な自己愛を
育てていただきたい。
「どうすれば彼にもっと
 喜んでもらえるか?」ではなく

「どうすれば私はもっと
 幸せになれるのか?」と

思考パターンを変えるのである。

(もちろん、
 「彼に喜んでもらうことが
  私の一番の幸せなのだ」などと
 考えてはいけない)。




ステップ6)
過去と向き合うこと

無意識のパターンが作られる
きっかけとなった
過去のできごとと向き合うことは

誰かを恨むためではなく
過去は変えられないと
絶望的な気持ちになるためでもなく

今を生きるための
手がかりを手に入れる
ということです。

理性や意志の力では
どうしようもできない
強い衝動を感じたとき

わけもなく
不安になってしまうとき

それが
目の前の今のできごとではなく
過去のできごとが
影響しているのだとわかれば

その強い衝動を
静かに受け流すことができます。

過去における心の傷、
得られなかったものへの渇望は
無意識の中へと抑圧され、

自分でも
コントロールがきかないほど
生々しく強い感情として
心の奥底に残り、

いつまでも自分を突き動かし続ける。
自分の行動の原因がわかれば、
それに影響されずにすむようになる。

(中略)
「見たくないものを見てしまった」
がゆえに、

はじめは苦しいことも
あるかもしれないが、

最終的に
そのようになることを
目標にしよう。




ステップ7)
過去を癒すこと

過去のできごとは
変えることができないけれど

過去に対して自分がどう感じるか
ということは

今現在でも
変えることができます。

目を閉じて深呼吸し
そのできごとを思い出して

今の自分が
そのときの自分に
「大丈夫だよ」と言ってあげることで

少しずつ
過去の傷を
癒すことができます。

ただし
あまりにも辛い経験は
専門家の助けが必要であるし

過去を思い出すことそのものが
苦しすぎるのであれば
急ぐ必要はありません。

心の傷を受けた
過去の場面に
現在の自分を登場させることで、

その場面を
作り直す(再構成する)である。

その場面自体が
消え去ることはなくとも、

意識かされることによって、
その場面が
無意識のうちに呼び覚ます
強烈な怒りや悲しみなどに
振り回される危険性が弱まる。





ステップ8)
手をはなすこと

執着を手放すということは

その恋を終わらせることでも
彼をあきらめるということでもなく

強く求める気持ちを
少しだけ緩めることです。

ステップ1にあったように
悩みや苦しみのテーマが
相手にあるのでななく
自分にあるのだと
認めることができれば

強迫的に
相手にしがみついている手を
はなすことができます。

そして
ステップ7であったように
過去も手放すこと。

過去のできごとに向き合うことで
かえって過去に執着しないように

手がかりを手に入れたら
過去への感情を手放すことも
大切なことです。

たとえばあなたが今、
100キログラムの力を振り絞って
恋愛やセックスのパートナーを
引き寄せようとしていたとする。

それならば、
その力を
50キログラムにするのである。

とりあえずは
ゼロにする必要はない。

無理な力を出して
自分を痛めつけていた分について、

ふっと
力を緩めてやればいいのである。





ステップ9)
リバウンドに負けないこと

無意識のパターンや
強い衝動は

自分を苦しめるものでもある一方で
長年かけて深くなじんだものでもあり

不意に
戻りたくなる力が
働くことがあります。

だけどそれは
回復へのステップです。

今までのパターンを
手放そうとしているからこそ
後戻りしたい気持ちが
出てきているということです。

リバウンドは
自分が弱いためでも
負けているのでもなく

なにごとにも
そうした波があるものだと
あらかじめ知っておくことが大切です。

麻薬をやめた時の禁断症状と同じで、
この期間は苦しくて
逆戻りしそうになるかもしれないが、

これを乗り越えれば
真の回復がすぐそこに
待ち受けている。

いわば、
あなたの体の中にある毒が、
体の外へと抜け出している証拠なのだ。




ステップ10)
自分の力を信じること

変わろうとしているのも
変わりたいと願ったのも
変わることを選んだのも
変わる努力をしているのも

ほかの誰でもない、
自分なのだということに
自信を持つことです。

やっぱり無理じゃないか
進歩してないんじゃないかと
結論を出してしまわないで

自分の人生を
繰り返してきたパターンを
変えたいと望み
行動しているのだということ、

勇気を持って踏み出した
そのことに

自信を持つことです。

そもそも、
あなたはもうすでに
十分に苦しんできたのでは
ないだろうか。

今の状況で
十分苦しいのではないだろうか。

だったら、
未知のものにチャレンジすることで
感じる危険性など、

今さら
恐れる必要など
ないのではないだろうか。





さいごに。

目標は幸福。

そして
恋愛ならば
本当の幸福をもたらす
恋愛をすることだ。

無意識の中にある欲求や葛藤にも
騙されてはいけない。

「幸福とはこれである」と
書くことはできないが、

私たちの心の中には、
自分にとっての、
真の、
やすらかな幸福を感じ取るセンスが
そなわっているものだ。

それをぜひ
感じ取っていただきたい。





にほんブログ村 恋愛ブログ 恋愛アドバイスへ