「愛されなければ」と
思っている。

海のように
母のように
広く深く包み込むように
愛されなければと
思っている。

頭のてっぺんからつま先まで
宝物を愛でるように
壊れ物を扱うように
愛されなければと
思っている。

真実の愛でなければ
と思っているし
100%の愛でなければ
とも思っている。

そんな愛じゃなくてもいいから
それはそれで仕方ないから
とにかく
「誰かに愛されなければ」と
思っている。

いつからなのか
わからないけれど

とにかく
愛されなければならない。

そう思ってきた。





愛されなければならない
と思っているから

もしも
自分だけが
愛されてると勘違いして
ほんとうは
全然愛されてなんてなかった
となったら困るので

あいまいな
正体のわからないものじゃなく

ちゃんとわかる形で愛されたいと
望むようになる。

目で見たり
手に取ったり
文字になったり
していないと

すごく不安になる。

だって
愛されていなければならないから。

まちがいなく
ちゃんと
疑いようもなく

愛されていなければならないから。

知らないうちに
途切れたり
すり替わっていたり
薄まっていたりしたら
困る。

いつも
確認できるようにしておかないと
あいまいなままでは
困る。

だから
自分にわかる形の愛で
愛されなければと思う。

そうじゃないと
すごくすごく不安になる。





求めるその「形」は
人によってさまざまで

使ってくれる金額の多さであったり
連絡の頻度であったり
約束とその実行であったり
割いてくれる時間であったり
優先してくれるかどうかであったり
記念日を覚えていてくれるかであったり

たとえば
たわいない話に
つきあってくれるかどうかであったりする。

とにかく
何かの形として
愛をたしかめることができれば

「愛されていないかもしれない」と
感じなくて済むし

人からたずねられても
ちゃんとこたえられるし
証明して見せられるし

だから
自分のわかる形で
愛されなければと思っている。





「愛されなければ」と思うのは

愛されていない自分が
不完全に思えるから。

自分には
何かが欠けていて
誰かの愛によって
やっとその穴が埋まる、
無意識に
そう考えているから。

愛されないことは
みじめで
寂しくて孤独で
恥ずかしいことに思えるから。

不完全な自分で生きることに
耐えられないから。

愛されれば
解決する、楽になると思うから

「愛されなければ」と必死になる。

自分が自分でいることを
受け入れて
この自分で生きていくために

とにかく
愛されなければならない。

はっきりそれとわかる形で
愛されなければならない。





愛されなくても
あなたはあなただよ
大丈夫だよ

そう言われても
心の穴は
ぽっかりとこの胸にあいていて

うすら寒い風が吹き抜けたり
しくしくと痛んだり
泣けてきたりするのだから

どう言われたって
不安は消えないし
愛されないままでいるわけにはいかない。

愛されなくて大丈夫
なわけない。

愛されなくたって幸せ
なんて
言えっこない。

愛されなければと思うし
愛されたい。

好きな人に
愛されたい。

彼に
愛されたい。




だったら

「わかる形で」の条件を
ゆるめてみること。

これが愛の形
と決めていたもの以外の愛も
認めてみること。

ほしいものは
形ではなくて
愛なのだから

自分がほしいものを
見ようとしてみること。
感じようとしてみること。

世界中の誰も
愛の形を見たことはないのだから

これが愛だと
ショーケースに入れて
展示することなどできないのだから

愛を観測できる科学者などいないのだから
愛を定義した論文などないのだから

みんなそれぞれに
自分が思う形を
「これが愛に決まってるさ」って
勝手を言っているだけなのだから

こんなにもほしいものなのだから
ずっと求めてきたものなのだから

こだわらないほうが
たくさん見つけられる。

たくさん見つけたほうが
幸せを感じられる。

これは愛じゃないかも
なんて 
遠慮することない。

だって
すごくすごく
ほしかったものなのだから。





好きな人の愛情を
ふるいにかけて
受け取る前から
捨ててしまうなんて

最初から
なかったことになってしまうなんて

そのほうが
ずっと寂しい。

たとえそれが
自分にわかる形でなくても
想像したようなものではなくても

大切な人の気持ちなら
どんなものだって

誰よりも
たくさん見つけて感じて
ぜんぶちゃんと受け取って

受け取ったと
知らせたい。

ありがとう
幸せにしてくれてるよと
伝えたい。

その積み重ねで
心の穴も埋まっていく。

「愛されなければ」という怖れが
愛したい気持ちに変わっていく日が
きっとくる。

そういう風に思います。


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