目標を掲げ
それに向かって
惜しまずに努力することは
素晴らしいことではあるけれど

だけど一方で

「○○のためなら何でもする」
という生き方が
自尊心を傷つけてしまうことも
あります。




極端な例で言えば

食べていくためなら何でもする。
だから
物乞いをする。
盗みをはたらく。
体を売る。
人を騙す。

そうすることで
食べてはいけるかもしれないし

それで家族が食べていけて
子どもを養うことができるなら
それでいいじゃないかと
開き直ることもあるかもしれないけれど

しかし
自分は知っているのです。

自分だけは
自分のしたことを知っている。

食うために犯した罪があるなら
その罪の一部始終を
自分のこの目が見ていた。

意識するかしないかはともかく
そこできっと
自尊心は傷つくのです。

自分が思う
「自分という人間」の価値が
自分の中で落ちぶれる。

「魂を売った」「人の道を外れる」
というのは

そのことそのものが
自尊心を傷つけるわけではなく
世間や他人から非難されるから
傷つくのではなく

誰よりも自分自身が
自分のしたことを知っている、
そのことが
自分を打ちのめすのです。

たとえ
食うために
仕方なかったとしても

自分を許せない気持ちが残る。
自分を恥じる気持ちが生まれる。
堂々と生きられなくなってしまう。
自分を愛することができなくなる。

自尊心が傷つくというのは
そういうことです。





たとえば戦争で

「生き残るためなら何でもする」
という状況が
当然のように立ちはだかったときには

敵を殺すことももちろん、
敵国の人間だというだけで
一般人を犠牲にしたり
ふだんなら考えられないような
残酷な行動をとった兵士たちが

それで
生き延びて
平和な本国の家族の元へ
無事に帰還したとしても

生き残るために何でもした
かつての自分が
亡霊のようにつきまとって
精神を病んでしまうことは
少なくありません。

生き残るという目的のためには
手段を選ばず何だってやる、
そうして
目的を果たして
生きていられたとしても

ズタズタに引き裂かれた自尊心とともに
その後の人生を生きていくのは
とても
辛いことなのです。




食うや食わずとか
死ぬか生きるかとか
そんな極限の状態ではなくても

「○○のためなら何でもする」
という生き方には

自尊心を傷つけるリスクが
少なからず付いてきます。

美しくなるためなら何でもする
金持ちになるためなら何でもする
有名になるためなら何でもする
成功するためなら何でもする
金メダルのためなら何でもする
契約を取るためなら何でもする
デビューするためなら何でもする

その「○○のため」の部分に
どんなに正当な言葉を入れても
どんなに輝かしい言葉を入れても

「何でもする」と続けばそこに
危うさはあるのです。

美しくなるためだからといって
健康を損なっていいわけじゃないし
成功するためだからといって
友人を傷つけていいわけじゃない。

契約を取るためだからといって
土下座して靴を舐めろと言われて
その通りにして契約が取れたとしても
それで
自尊心が傷つかないわけがない。

それを手に入れるためなら
何でもする
なんて

自尊心を傷つけてまで
手に入れるだけの
価値のあるもの
なんて

あるわけない。





自分がしたこと
自分が選択したことの
そのすべてを見ていた
心は

自分がしたことに
傷ついて

ずっと
忘れられず
癒やされずに

傷はいつまでも痛み
そのうち膿んだりもして

だけど認めたくなくて
もっともっと
それを手に入れようとします。

傷の痛みを感じないようにするために
傷ついた自尊心の穴埋めをするために

もっともっと
「それを手に入れたい」
と思います。

「そのためなら何でもする」
と思うようになります。

そうして
自尊心は

傷つき続けるのです。





「そのためなら何だってする」
と思うことが間違っている
というわけではありません。

彼の心を取り戻すためなら
彼にまた愛されるためなら
彼に一緒にいてもらうためなら
何だってする

結婚するためなら
何だってする

それはそれで
悪いことではないし
それだけの覚悟でもって
揺るぎなく生きるということも
大切なことではあるけれど

それ以上に
自尊心を大切にすることです。

その選択、その行動に
誇りを持てるかどうか。

彼のために
愛のためにと
自分を粗雑に扱ってはいないか。

かけがえのないこの自分を
乱暴に投げ出してはいないか。

心を傷つけてまで
自尊心を貶めてまで
手に入れたいと望むそれは
 
ほんとうに
自分を幸せにするものなのかどうか。

自分のために
考えてみることです。





見て見ぬふりをしても
ごまかしても偽っても

心は
全部知っていて
深く深く傷ついてる。

だから
どうか
もう 
自分で自分を傷つけないように

その選択
その決意
その覚悟が

いつも
自分のため
誇れる自分でいるため
自分自身の幸せのため
であるようにと

そういう風に思います。


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