人と人とが
かかわりを持つ上で

もっとも
大切にしなければならないことの
ひとつは

「その人が
 その人であることを尊重する」

ということです。

家族でも親子でも親友でも
そしてもちろん
恋人同士でも。





「その人が
 その人であることを尊重する」とは

その人が
その人らしくいることを
何よりも優先させるということ。

そして
その人の「その人らしさ」とは

他の誰でもない、
その人自身が決めることです。




仕事であったり休息であったり
笑いであったり涙であったり
食べることであったり
眠ることであったり
行動することであったり
考えることであったり
人と語らうことであったり
ひとり静かに
心を落ち着けることであったり

その人が
できるだけその人らしくあるために
どうしても必要なことがあって

その人の心が
「自分はこのように生きたいのだ」と
「そうすることが今必要なのだ」と
そう欲するのならば

それをやめさせたり
口出ししたりすることはできません。

どんなに親しくても
どんな間柄であっても。

それが
人と人とのかかわりにおいて
もっとも大切な

「その人が
 その人であることを尊重する」
ということです。





たとえば
国と国とのかかわりにおいて
「主権」という考え方があります。

一夫多妻制の認められる国に
日本人が出向いていって
モラルに反するじゃないかと
非難することはできないし

ある国の国民に対して
日本の休日に合わせて休暇を取れと
強制することもできません。

日本には日本の
その国にはその国の
それぞれに
その国の「主権」があるのであって

よほど
非人道的な事件を起こしたり
他国への脅威でもないかぎりは

その国のありようを
その国が決定することを
干渉してはならない。

「主権」というのは
その国が
ひとつの国として存在するために
最低限必要なこと。
そして
もっとも大切なこと。

だから
国と国との
かかわりが成り立つためには
何よりもまず
お互いの国の主権を
尊重しなければならない。

主権がなくなれば
その国はもはや
国ではなくなってしまう、
ということです。





人と人とのかかわりにおいても
同じことが言えます。

かかわりが
依存的になっているときには

「相手を尊重する」ということが
できなくなって

どちらかが
どちらかの主権を
奪い取ろうとしてしまいます。





依存関係において
支配的な立場になりたがる人は

その人が
その人らしくいることを許せず

非難したり咎めたり責めたり
ときには言葉の暴力で
ときにはほんとうの暴力で
またときには
涙や弱さという武器でもって

自分の思いどおりに
コントロールしようとします。

支配することに
どこか後ろめたさがあるときには
正論を盾に
相手を操ろうともします。

相手に非があるように責めたり
こうすべきだ
こうすることが正しいのだと
決めつけたりすることで

人を支配するやましさを
隠そうとします。

相手を尊重しない、
相手の主権を侵すような
かかわり方をしようとすると

相手が健全な心であれば
拒絶されるか距離を置かれるか、
とにかく
関係はそこで途切れます。

相手に依存心があれば
どんどんエスカレートして
モラハラやDVや
過干渉や束縛といった
歪んだ関係になってしまいます。




また
依存する立場になりやすい人は

自分が
自分らしくいることを放棄して

他人が
自分の領域に踏み込んでくることを
許してしまいます。

考えること
選ぶこと
決めることを
自分でしようとせず
他人に委ねてしまいます。

自分が悪いから
自分が間違っているから
自分に価値がないから

自分が
自分らしくあってはならないのだ
と考えて

他人の支配を受け入れ
コントロールされるがままに
なってしまいます。

主権を失った国は
もはや国として成立しないように

自分が自分であることを
他人まかせにしてしまうということは
その人が
その人でなくなるということ。

とても
危険な関係になってしまいます。 





「その人が
 その人であることを尊重する」

なんて

あまりにも当たり前すぎて
言葉にすると
ばかばかしいほどのことだけれど

よりによって
もっとも大切にしたい人に対して

その当たり前のことができない
ということも多いものです。

付き合ってるんだから
恋人なんだから
彼氏なんだから
結婚するんだから
夫婦なんだから
パートナーなんだから

最優先にしてほしい
連絡してほしい
会う時間を作ってほしい
心配してほしい
気づかってほしい
いつも私だけを想っててほしい。

そうして

彼が
彼であることを
尊重できなくなったり

自分が自分であることまでも
放棄して
彼の主権を奪いたくなります。

支配でも
依存でも
どちらの立場であっても

お互いに
お互いを尊重できないかかわりは

きゅうくつで居心地が悪く
苦しみをもたらす関係に
なってしまいます。





好きな人に
何かを求めることが
悪いというわけではありません。

何も求めず
いつも無償の愛を捧げなければ
それは愛じゃないのだ
というわけでもありません。

ただ
求める気持ちが
あまりに強すぎるときには

自分に問いかけてみることです。

求めるものが
手に入ったとしても
彼が
彼じゃなくなってしまったら

それって
嬉しいことなのかどうか。

大好きだったその人が
その人じゃなくなってしまう、

そうなってまでも手に入れたい、
手にしなければならないものなんて
ほんとうに
あったかどうか。




それでもどうしても
求める気持ちがおさまらない、

彼が
彼らしくあることを優先できない、
というのならそのときは

その要求こそ

自分が
自分らしくいるために
必要なものなのかもしれません。

自分が自分であることを
優先するときなのかもしれません。






人と人とが
かかわりを持つときに
もっとも大切なことは

その人が
その人であることを尊重すること。

その人が
その人らしくいることを
何よりも優先させるということ。

そしてもちろん
自分に対してもそうすること。 

その中に

信頼も
思いやりも
やさしさも
気づかいも

そして
心からの深い愛情も

すべてが
含まれているのではないかと

そういう風に思います。
 


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